病院で思い出した十数年前の修羅場。
当時高校生、学校帰りの電車で謎の腹痛に襲われた。
なんとか自宅に帰り着くと母は親戚と近場の銭湯へ出掛け、父は趣味のギター教室へ出掛けてしまった。
空腹で起こった腹痛かもしれない、と一人夕食を食べるも痛みは増すばかり。
どんどん痛くなる腹痛に耐え続けていた。
父が先に帰って来た為「とーちゃん、腹痛い」と告げるも楽観的な父は「じゃあ寝とけ」のみ。
そのうち吐き気も催し、トイレで全く消化していない夕食をリバース。
それでも楽観的な父はギターを弾きながらの「大丈夫か?」のみ。
ようやく母が帰ってきて「腹痛い、気持ち悪い」と訴えるも「もうちょっと様子見てみたら?」…。
限界突破でどうにか母を説得し救急のある病院へ連れて行ってもらった。
しかし、併設している立体駐車場から病院まで歩くのも辛い。
ヨロヨロ歩く自分に「そんなに痛いの?演技じゃないの?」と冷たく言い放つ母。
ようやく辿り着いた夜中の病院、エコーでさくっと虫垂炎と判明。
点滴を手の甲に刺したいのに刺さらないらしく、看護師三人で「あーダメだ」「ここは?」「無理だな」とブスブスブスブス刺しまくったあげく、結局 肘窩へ。
その後痛みがひかず腹腔鏡手術。
無事手術も成功し、3・4日の超短期入院で済んだ。
家族の非常さと痛みと戦った修羅場でした。