高校の同級生にすごく太ってる女子がいた。
誰もそのことをからかったりしなかったが、本人が自分から「デブで〜す!」とか「ブー子って呼んで」とか
足踏みして「地鳴りが〜!地割れが〜!逃〜げ〜て〜!」とか、いつもはしゃいで言ってた。
うるさいくらいにメチャクチャ明るい子だった。

みんな最初は遠慮して彼女が体重ネタをふってきてもあまり笑わなかった。
ちょうど校内でイジメ問題が起きたばかりで「イジメ、カッコ悪い」みたいな風潮もあったし。

でも、彼女の方からとにかく体重ネタ連発してきて、
「アタシ、ポジティブなデブだから!歌って踊れるデブ目指してるから!」とか。
ブー子って呼ばないと残念がって、何度も呼ぶように催促してくる。
なんかそのうち、ネタに乗ってあげないと却って可哀想な気もしてきて
ちょっとずつみんな笑うようになってきた。

それでも、あくまで彼女が何か言ってきたらリアクションとして笑うだけで
こっちからわざわざ彼女をからかったりはしなかった。

その彼女が卒業の日、
「ホントはね、みんなにデブって言われるのすごくつらかった。
言われる度に心にナイフが刺さったようで、その傷、今も癒えないんだ…。
それでも涙だけは見せたくなくて、必死で笑顔作って…でも心の中ではいつも泣いてた。
『ブー子』なんて…(ここで涙ぐむ)…酷すぎるよ…。
みんなにお願い。言葉って、暴力より人を傷つけるんだよ。それだけはわかって欲しかった」
とか言い出しやがんの。

知らねーよなんだよふざけんなクソデブ女。
最後にそのポエム朗読したかったための、1年かけた壮大な釣りかよ。
クラス全員がこいつと友達をやめた。