K先生がWにいつも言うことは、「W君、勉強が嫌いなんだったらね、勉強
なんかせんだってええ。授業中、ずっと寝とってもええ。だけどね、この
クラスには、授業を受けたいと思っている人が、絶対に居るはずなんよ。
その人達の権利を奪って暴れることだけは、絶対にしんさんな。」という
ことだった。

もちろんWは、いつも聞き入れずに暴れて相手にしない。

Wは、授業中に暴れながら黒板に訳の分からない走り書きをしたり
(何らかのはっきり分かる絵や字ではない)、ほうきを振り回したり、
暖房が付いている季節には暖房の回りで大暴れして、暖房の柵の上に
登ったり、柵の内側に入って見せたりした。授業中、クラスの皆の前で
癇癪を起して大暴れする時は、いつもクラスメイトを酷く睨み付け、皆は
何も言えずに下を向いてうなだれるしかなかった。Rもこの時は、さすがに
Wが怖くて何も言えなくなったようである。しかし一方で、教室を出て行く
時は必ず、「俺、出て行くけぇ。」と宣言してから出て行ったところを
見ると、基本的には自分に構って欲しかったのだろう。だけど、癇癪を
起こしてやりたい放題しないと気が済まない時は、お前ら黙って俺に従え、
という感じだったのである。

基本的に授業を大暴れして潰してやりたい放題するくせに、HRは早く
終わらせて帰りたい(というか、おそらく不良仲間とつるみたい)から
HRがダラダラしてると、「お前ら、静かにせぇや!!」と叫んで脅す、
という本当にわがままでとんでもないヤツだった。