小3の頃だったと思う。
夏休みに祖父母の家(山口県)に帰省し、そこから関東に帰る時のこと。
祖父母の家はJRだともの凄く不便な場所にあり、当時は父が運転する車で毎年帰省してた。

一週間位滞在して田舎の生活を満喫し、さて家に帰るかとまた１日がかりの長旅。
何度か渋滞に巻き込まれながら静岡まで帰ってきた時だった。
車のブレーキが利かなくなった。
と言っても、それを知ってたのは運転してた父だけだったんだけど…。
パニックを避ける為に父は私達には何も言わず、徐々にスピードを落としてサービスエリアへ。
駐車スペースを探してると、左後輪の辺りから煙が吹き出して来た。
すぐに車から降りて、私はハッと気付いた。
「おばあちゃんから貰った人形を車内に忘れて来た」と。
そしてそれを口に出してしまった。
私の側でそれを聞いた弟(多分小1位だった)が、突如車に向かって走り出した。
「しまった！」と私は愕然とし、瞬間的に炎に包まれる弟の姿が脳裏をよぎった。

が、無事に生還した。
その後JAFの人達が来てくれて、私と弟はJAFのお兄さんと一緒にJAFの車に乗り、
それに牽引される形で両親と生まれたばかりの弟が煙を出した車に乗った。
車を預け、帰りは新幹線で帰ってきた。
煙の原因はブレーキオイルが漏れてたからだったそうだ。


あれからもう18年近く経つが、
今でも車が煙に包まれたあの瞬間と、そこに向けて走り出した弟の姿を夢に見る。