猫と言えば、拾い猫を5年くらい飼っていた。嫁さんより俺に懐いていて、いつも一緒だった。

でも、息子が生まれてから、焼き餅を焼いたのか、俺を噛むようになった。ある日、本棚の上から
俺に向かってうにゃうにゃうにゃうにゃと、ずっと何かを言っていた。子供が生まれたら僕のこと
なんてぜんぜん可愛がってくれないじゃんか、とか言ってるみたいだった。

猫への愛情は変わっていなかったのだけど、やはり新生児がいるから寝室への出入りを禁止したり、
あいつにとっては迷惑な話だったのだろう。

うにゃうにゃと猫の愚痴を1時間くらい聞いていたら、ふらりと表へ出て行った(近所はみんな猫を
出入り自由にしていて、うちの猫は鳩を捕ってきたことがある)。夜になっても帰って来なかった。
また外泊かと思っていたら、ずっと帰って来なかった。

もっとまじめに愚痴を聞いてやればよかったかなぁ、とかたまに思い出す。