小学校6年生の頃、密かに好きだった男の子と同じ掃除の班だった。
メンバーは5人で、掃除する場所が2ヶ所あったので、半分に分かれた。
そしたらたまたまその好きな人と私2人っきりで下駄箱掃除することになった。
普段はお調子者でクラスの人気者だった私だけど、掃除中一言も彼と喋れなかった。
向こうも一言も話し掛けてこなくて、無言の15分。すごく長く感じた。変に思われただろうな。

中学に上がったとき、体育祭で学年でフォークダンスを踊ることになり、練習をしてた。
その好きだった人の順番になった。こっちはドキドキ。
そしたらその彼、私の顔を見て「あ、Y(私の名前)じゃん。」って言った。
もう、その一言がめちゃくちゃ嬉しかった。どんな顔したらいいのかわかんなくて照れた。

二十歳になったとき、クラス会で、その好きだった男の子が白血病にかかってたことを人づてに聞いた。
完治したらしい。生きててくれて良かった、って思ったら、酒入ってるせいもあってボロボロ泣いてた。

その人にどうしても会いたくて、小6の時のクラス会を開いた。友達と協力していっぱい人が集まった。
その好きだった彼も来てた。絶対なんか喋ろうと思ってたけど、一言も喋れなかった。十年進歩なしか、私…。
でもその好きな人の前で、ジュディマリのクラシック歌った。友達にマイク渡されたから。
「愛しい人 震える想いをのせて いつまでも夢の中にいて」