私は小さい頃8歳年下の妹を苛めていた。
殴る蹴るの暴行をしたり、妹に辛い仕打ちをしていた。いつも頼ってくる妹が大嫌いだった。

ある日喉が乾いたので小1の妹に「おい、何か飲み物買ってこいや!」と命令した。
妹は出かけたが待ってもなかなか帰ってこない。
どうせどこかで道草食ってんだろう、買ってきたらしばきまわしてやる!と思っていた。

とうとう夜になるまで帰ってこず、やっと7時に帰ってきた
ドアを開けるとびしょぬれで両膝にすりむいた跡のある妹が立っていた。どうしたか聞くと
「おかね、、おとした、おかね、、、おとした、、こけて、、お金おとした、、、探したけど、、
みつからんかってん、、ごめんなさい、、ごめんなさい、、、」
ひっくひっくとびしょぬれの体で泣く妹がそこにはいた。
外は夕方から酷い嵐でその大雨と台風の中、妹はずっとこけてドブに落とした100円玉を探していたという。
「なんで、お金なんかどうでもええやん、なんでこんな時間まで・・」
と言うと「おこられる、、お金、おかねおとしたらおこられる・・ごめんなさい、、ごめんなさい」
とぶるぶると震えていた。
私は今までどれだけ妹に酷いことをしてきたか気づいた。
妹にとって私はそれだけ怖い存在だったんだと気づいて自分で自分が嫌になった。

ぎゅーっと抱きしめたら冷たかった。それから二度と妹に対して手を挙げることはなくなった。