わたしが幼稚園児、妹はそれにも満たない年令だった頃、父方の祖母が肺癌だった。
よく分からないが自宅で看護婦をつけており、祖母の家は私たち家族の家の近所(徒歩10分程度)だったのに、母が父方の親族と疎遠で月に一回くらいしかお見舞いに行かなかった。
祖母の家に行ったら行ったで出されたお菓子をおかわりし庭を走りまわって、祖母と交流なんてしなかった。祖母は私たち姉妹をじっと優しげに見つめるだけだった。
数年後祖母はひっそり死ぬ。私は幾分分別もついた頃で、祖母は晩年ほとんど物を食べることが出来ず、点滴で栄養を摂取していたことを知りショックを受けた。
祖母はお菓子を食べる私と妹を見て何を思ったろうか、と今も考える。
人を思いやる心の無い幼児って、本当に残酷だ。食い意地のはってた自分が腹ただしい。祖母ともっと話をすれば良かった。