>>874-875の続き

ガキを引っ張って駅前の交番に向かっていると、ガキのケータイが鳴りました。
一言二言しゃべったガキがケータイを私に差し出します。
『あの…先ほどは失礼しました…』
「何かご用ですか?これから交番へ行くんですけどね」
『え…あの…その前にぜひお話させていただきたいのですが…』
「そーですか。じゃ駅前の○○で待ってますから」と喫茶店の名前を告げて、ガキを連れて行きます。
30分ほど待っていると、30代半ばの少し小柄で、ちょっとロリ顔の女性が入ってきました。
ガキの母親です。
「この度は子どもがたいへんご迷惑をおかけしました。ご請求いただければ治療費をお支払いいたしますから、
穏便に済ませていただきたいのですが…」
先ほどの電話での話しぶりとは打って変わった、まともな対応です。
こういう風に言われた以上、私はごねるつもりはありませんでしたし、もうじゅうぶんだと思いました。
「いいえ、軽い捻挫ですし、お子さんが今後あの駅でおとなしく振る舞ってくれるのであれば、それで結構です」
「でも、それではわたくしの気が済みませんので、お食事でもご一緒させてください」