首相の靖国参拝、最高裁が2件の上告棄却

小泉首相の靖国神社参拝が政教分離を定めた憲法に反するかどうかが
争われていた2件の訴訟について、最高裁は27日、
いずれも原告側の上告を棄却する決定をした。
両決定により、原告側の請求を退けた東京、高松両高裁判決の結論が維持され、
原告側の敗訴が確定した。
同種訴訟では、23日に第二小法廷が憲法判断をせずに原告側敗訴の判決を出したばかり。
最高裁が審理した3件すべてで憲法判断に踏み込まなかったことになる。

東京高裁判決(05年9月)分については第二小法廷(滝井繁男裁判長)が、
高松高裁(同年10月)分については第三小法廷(藤田宙靖(ときやす)裁判長)が
それぞれ決定を出した。
いずれも原告側は、首相の参拝が憲法が定める政教分離に反し、
原告らの信教の自由を侵害した、と主張していた。

両小法廷は、すでに23日の判決で示された
「原告らの法的利益は侵害されていない」という
判断の枠組みに沿う形で、上告を退けた。

23日の第二小法廷判決は
「他人が特定の神社に参拝することで宗教上の感情が害され、
不快の念を抱いたとしても、直ちに損害賠償を求めることはできない」
との解釈を示し、憲法判断をするまでもなく、
原告らの法的利益は侵害されていないと判断した。

(2006年06月27日18時50分 朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0627/TKY200606270479.html