デムパスレより〜八月革命説について〜

八月革命説は、国際法優位の一元論を採用しない限り採用しえない。

八月革命説は憲法の内容の変更は「革命」によるものであって、
上位規範たる条約によって憲法が変更されたのだと言ってるわけではない。
もちろん、事実レベルではまさに条約によって憲法が変わったという説明
になるわけだが、国際法優位説は規範レベルの話だから関係がない。

「ポツダム宣言の受諾による明治憲法の根本的部分の変更」をさして「一種の革命」と呼ぶ。
条約によって憲法の根本的部分を変更可能というのは、国際法優位説ではないか?

ポツダム宣言によって明治憲法の根本部分が変更されたこと、と
ポツダム宣言の受諾によって明治憲法の根本部分が変更されたこと、
は大違い。

条約を受諾することで、なぜ憲法の根本的部分が動揺するのか?

憲法上受諾できない内容の条約を受諾してしまったから。
条約によって合法的に憲法が変わったのではなく、憲法上許されない
条約受諾によって革命的に憲法が変わった。

憲法上許されない条約を受諾したら、単に条約または受諾という行為が
違憲というだけ。