日本経済新聞 2008年3月14日夕刊 のコラムで「この国の転落」と題して、

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 近代日本文明はどこからおかしくなったのか。
 私は、1928年の張作霖爆殺津事件からだと思う。中国大陸への支配拡大を日本の
発展と信ずる関東軍の将校が、日本に余り従順でない張を爆殺した。それはとんでもない
不祥事であった。が、日本にとって致命傷ではなかった。それを陸軍が「皇軍の名誉」の
ため隠し、日本政府が処罰できなかったことが、死に至る病を招いた。国のためと信じて
やれば、下克上と独断専行が許されると軍人は受け取った。戦争に、アクセルあって
ブレーキのない日本帝国と化したのである。」
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と書いているけど、よくある幼稚な道徳論だよ。政治・軍事と道徳の区別も付けられない
典型的なナイーブ君の日本人が防衛大学校の校長なんてやるなっつーの。
張作霖爆殺事件にしたって、奴はただ「余り従順でない」だけでなくて、こいつを片付ける
かどうかに、日本の生命線がかかっていたわけ。奴が大軍を引き連れて満州入りしたら
邦人社会がやばくなるのは自明のこと。話はそれだけに留まらない。
要するに、五百旗頭の野郎は、日本は満州の全利権を放棄して、とっとと撤退しとくべき
だったと言うのか?そこまで言わないだろ。
事態は非合法手段を使わざるを得ない段階に入ってきていたわけだ。
それを政治が自らの意思で主体的に取り組めなかったのが元凶であって、軍の策略が
完全に間違っていたわけではない。
欧米列強が日本の立場なら、日本と違って、政治主導で同じ決断をしただろう。