>>256
前者は動態的、後者は静態的な意味で使うことが多い。

たとえば、「精神的自由は立憲民主政にとって不可欠の権利」という場合
政治部門のアウトプットに対して民意がインプットされるプロセスを指している
(D.イーストンの『政治システム論』のようなイメージ)。
つまり、精神的自由が侵害されると民意の形成に悪影響が生じ
上記のプロセスが正常に機能しなくなるから、不可欠の権利だという意味になる。

一方、政治制度論として政治体制分類をするような場合には後者が用いられることが多い。
例えば、専制、寡頭制、民主制と区別するような場合。これはたとえば主権者の数というような
静的な視点で分類しているもので、前者のようなプロセスに着目しているわけではない(1。

(1 ただし、アリストテレスの政治体制分類が、例えば王政・貴族政・国制・僭主政・寡頭政・民主政
  などと翻訳されている場合があるように、必ずしも厳密に区別されているわけではないように思える。