先入観とはいったいなんでしょうか?
まあ憲法は法の上にありますから、政治学上の意味合いが濃いことは確かですけどね。

>官僚の持つ多様なアイディアの中からどれを、幾つもある分岐点でどれを選ぶかが閣僚の仕事
>選択肢とアイディアを提供し、実務上調整を行なうのが官僚の仕事
>官僚は内閣のコマじゃないからある程度権限があって当然
官僚は「行政」のプロフェッショナルです。確かにある程度の権限は必要ですが、それは「政治」のコントロールを
受けての話です。
またあなたは官僚に対する無謬性があまりにも大きいようですね。政治家の仕事は政治の方向性を決めることです。
官僚の示した選択肢を選ぶのは二の次ですよ。

>アメリカほどじゃないにしろ官僚によって行政政策が大幅に変更することあるよね?
「政治」と「行政」を混同してはいませんか?

>軍官僚(軍人)の暴走は官僚機構の権限ではなく天皇の権限(と内閣の権限の少なさ)の問題
現実問題として、政治家は軍事に疎いということがあります。つまり政治家の周辺のスタッフが優秀でなければ軍官僚の
言いなりになる可能性が極めて大きいといえるでしょう。もし彼らをコントロールする側の人間が軍事に対する知識に乏しく、
しかしそれに対する権限が大きいとなった場合、政治家の無知を利用して軍がその権限を振り回す可能性は高くなると
考えるほかはありません。
軍事に限らず今の日本の政治と行政(官僚)の関係は上記の通りの関係です。それが軍事については例外であり、
また議会承認でなく行政制度改革でも行なえる、などと考えるのははなはだ認識不足といわざるを得ません。

>「党利党略」
あのですね、政治の世界では党利党略があってあたりまえなんですよ。問題なのは、それが行政、つまり官僚の立場から
行われている現状が問題なんです。つまり民意から立てられる政策立法の擦りあいからの党利党略ではなくもっぱら省益や
既得権益の保全に終始する議論で終わっているのが、今の党利党略と呼ばれるものなんです。

>議会の行政審査権のみを主張する理由が分からない
まず結論として「政治」と「行政」の分離を日本の政治に打ちたてようというのが、自分の議論の骨子ですよ。
9条問題でこの点を言ったのは、それがたまたま9条問題のスレだっただけに過ぎません。法学板は他に適当な憲法論議の
スレはなさそうだしね。また軍事権限は民主政治のあり方を指し示す試金石にもなります。
三権分立という民主政治の基本原則は習ったよね?でも近代国家成立以降の歴史において、それだけでは不十分というのが
今の政治潮流です。ファシズム、国家主義、軍事政権、社会主義、共産主義といった、およそ非民主的な国家の特徴として
あげられるのが、官僚の権限が極めて強く、また彼らは外部の監査を受けない、という点があります。そのために必要なことが
「政治」と「行政」の分離であり、議会による「行政」に対する外部監査なわけです。
もし改憲が現実のものになるというのならば、憲法でそれを明確にしていくべきでありましょう。

行政制度改革程度ではだめというのは、そもそも制度改革の具体案を考えている人間が官僚です。自分たちを縛る制度を
自分たちで作ろうなんて、ましてや既得権益を投げ出してまで彼らにやれると思いますか?
司法はあくまで違法性を問うのが役目であり行政のあり方そのものの判断をどうこうすることはありません。まして日本の裁判所は
そういった憲法判断を逃げまくっているでしょう。
議会は民意を反映させうる唯一の場です。特に議院内閣制をとる日本ではなおさらですね。また大統領制など首長を直接選ぶような
制度でも必ずしも民意の反映がなされるわけではありません。特にマイノリティの意見は彼らから無視される傾向が強いです。
行政の定義が政策の実行であるとするならば、政策は民意の反映です。つまり民意に従った行政が行われているかどうかを
審査する権限があっても、何の不思議は無いでしょうし、むしろそれを行うシステムが存在しないことの方がおかしいのでは
ないのでしょうか。