国際法スレッド
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0679法の下の名無し
2006/03/04(土) 01:11:30ID:KlcFoII1解釈の優越性を巡る争いにおいて、決着をつける客観的な基準はあるのか?
これは非常に難しい問題ですね。あなたが好きかどうかはわかりませんが、
いわゆる「法政策学派」はこの点を「人間尊厳」という価値に資するか
否かによって、政策決定の合理性=合法性を判断しようとします。
(ちなみに私は好きではありません。興味があるなら河西(奥脇)直也
の過去の論文等を読んで下さい)。
国際法の場合、集権的・最終的な解釈決定権者がいないので、解釈が対立
した場合には、個々のケースごとに紛争処理を通じて当事者間で一致に
至るというのがこれまでの伝統的な考え方でした。しかし、紛争処理が
条約体制において制度化され、客観性を担うようになった現在において、
一つの紛争における条約規範の解釈に関する紛争は、私的な性質から
客観的性質を帯びるようになり、それゆえ「国際コントロール」等の概念
が現在提唱されていると認識しています。
したがって、解釈の優越性に関する判断の妥当性は、広義の意味における
紛争処理手続の正統性に依存するのではないか、すなわち実体的側面から
手続的側面に移行しつつある、というのが私のとりあえずの意見です。
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