北城さんは、中学の卒業間近に担任から「きみは、英語の成績がよくないね。
高校へ行くと英語は大事だから、頑張りなさい」と言われた。

『中等部からの慶応ボーイである。それなら高校で一生懸命やろうと。
教会で英語を学んだのが縁で敬けんなプロテスタントである。
まじめ、誠実を絵に描いたような半生である』(日本経済新聞・夕刊)

たしかに、英語は他の教科に比べれば少し点が低かった。
それでも他の教科は「A」ばかりで、英語も見劣りするほどではなく、
同期生だった岡野スルガ銀行社長も
「北城は、お世辞抜きで、文武両道に抜群に優れていた」と述懐しているとおり、
学級委員長としての活動も評価され、卒業時には「中等部長賞」を受賞する栄誉に輝き、
卒業生代表に選ばれたほどである。

それでも負けず嫌いな性格の北城さんはさらに発奮し、英字新聞を読み、
高校のクラブ活動では英研に入り、映画を繰り返し見て、
テレビやラジオの英語講座や英会話テープを聞き、
休日は教会へ行って英語ネイティブの宣教師に教わった。
英会話学校に通い、それこそ徹底的な『英語漬け』の日々を過ごした。
そしてこれが留学や仕事など、後の活動に役立ったのだ。

我々もこうした北城さんの姿勢をよく見習って英語の能力を向上させ、
「あ・た・ま」の考え方を実践していくことが重要だと思います。