毛髪針弾(モウハツシンダン)
戦国時代の日本においては、戦に勝利するための
様々な格闘術や戦闘術が考案されていたが、
その中でもひときわ異彩を放つ奥義として注目されたのが
この「毛髪針弾(モウハツシンダン)」である。
この奥義の要諦は、己の毛髪に「氣」を送り込み、針のように
硬直化させ、それを気合とともに飛ばし相手に突き刺すことである。
忍者の間では、毛髪に毒を塗ることにより暗殺術としても使用され、
その効果の大きさから武士をはじめ戦に携わる者にとっては
必須の格闘術とされており、修行に励むものも多かったと言われる。
この時代の男子の間では「ちょんまげ」が一般的な髪型とされていたが、
それは、この奥義の使いすぎによって抜けてしまった頭髪をごまかす
ためのものであったことは明白である。
現代の日本では、治安の悪化により犯罪に巻き込まれる危険性も増えたため
護身術として、若者の間で注目されるようになってきており、その過酷な修行の
結果として頭髪が薄くなる者も増えてきたと言われる。
毛髪針弾は、その奥義の性質上、頭髪がなくなれば即、使用不可能と
なるため、頭髪の量を維持し、硬く太い毛にすることが重要な条件となる。
そのため、亜出乱巣や、利威武二十一などには、増毛、育毛に励む、
毛髪針弾の使い手たちの姿が数多く見られる。
 (民明書房刊:「No-More・・・悩み無用」より)