これまで200UPが名和と吉田の2人だけという難コンディションに挑む1回戦最後のFグループは、
松永、姫路、寺下。死の組と評されるほどに三者拮抗の激戦が期待されるところだが、番宣で試合展
開を表すキーワードは「ストライク連発の圧巻バトル」のみで、しかもそれはメインの表題に無い。裏を返
せば接戦や10フレまで縺れる展開ではなく、勝敗の行方は早い段階で見えてしまった展開だったと
予想したい。ストライク連発とは、1位の選手が好スコアで、2位と3位の選手が他のグループよりは多
少多めにストライクが出た程度と、謂わば「盛った」番宣だと割り引いて、予想を進めてゆきたい。
実際の投球順は寺下→松永→姫路のところを、予告映像では姫路→松永→寺下と入れ換え、寺下の印
象を強めている。番宣も完全な寺下全面推し。しかし番宣をよく見て見ると、過去によくあった「下
克上なるか」、「倒せるのか」といった強豪超えを煽るような表現までには至っていない。尊敬する
松永と番組演出上の壁役の姫路を相手にしながら、もう一歩踏み込んだ煽りがないのは、寺下圧勝・
強豪超えという視聴者が最も期待するドラマは無い証だと私は見た。予告映像は姫路が前半、松永が
序盤のシーンで、寺下は7フレ以降のシーンである。寺下のシーンでは、画面の上端に番組セットビ
ジョンに表示された姫路の7フレまでのスコアが映り込んでいる。9/XX9/9/X9/。姫路はさほ
ど打てていない。寺下の投球時には、後ろから寺下を見る松永と姫路が映されている。松永の表情は
平然としており、姫路の表情に切迫感はない。試合展開が切迫している時の姫路はそもそも相手の投
球を見ない。一方寺下はジャストストライクを決めて快心の笑顔。待機観戦する他の選手達は感嘆の
表情で拍手。頬を膨らませる姫路。寺下が姫路を上回っているのは明らかだが、今回は相手が相手。
7フレ以降の段階で寺下が1位なら、ジャストストライクでも表情は引き締まっているのが自然。
丸山プロの解説が聞こえているが、誉めてはいるものの、独走体制にも切迫している様子にも聞こえ
ない。寺下のシーンはフェイクだ。姫路を上回ってはいるが、独走体制でもない、二人とも独自の戦
いになってしまったと悟っているのだ。ストライク連発の真の勝者は、最も印象の薄い松永だ。伊津
野実況「川崎は私に合っている…」。制作サイドが視聴者に与えた僅かなヒントが実はこれ。これま
でのトップスコアは吉田。松永の球質と軌道は吉田に近い。200割れながらも酒井が勝ち上がったよ
うに、今回の川崎はラインをしっかりと読んで、緻密に軌道を調整できる選手が勝利を掴めるコンデ
ィション。松永の引き出しの豊富さに寺下はまたひとつ学ぶ機会を得、その陰で姫路が死の組の犠牲
者となった。


姫路さんと阿部さんに抱き締めていただいて
子供のようにわんわん泣いてしまいました (笑)


2015.10.24 寺下の中で 姫路の存在は番組演出を超えた
2015.8.17 寺下が松永にから学んだこと
「先輩とは」


松永 1.9
寺下 2.2
姫路 2.9