メジャー挑戦の夢が破れた中村紀洋(32)は古巣・オリックスで再出発を期す。
今何を考え、どんな思いでいるのか…。

――2年ぶりの古巣はどう?
「若い子が競争心を持ってやっていない。ただ、練習をやっているだけにしか見えない」

――どういうこと?
「まず礼儀がなっていない。慕ってくるのと馴れ馴れしいのとは違うでしょ。ボクらは高校の時は
もちろん、近鉄に入っても先輩に対して口もきけなかったですよ。誰も教えてくれなかったから、
先輩の練習を見て盗むしかなかった。そういう雰囲気に戻したい。礼儀のできない子は勝負師
になれん」
(略)
――メジャーで相当苦労したようだ
「心臓に毛が生えましたわ。もうメジャーはエエですよ。未練は全くない。1年やったけど、向こうが
どういう世界か分かったし、先が見えましたからね。マイナー契約だと、なんぼ頑張ってもメジャー
に上がれないですもん。ボクより力のないメジャー契約のヤツが、どんどん上がっていけるんですわ。
どうしようもない見えない力があった」

――渡米時は強い決意を持っていた
「実力だけで勝負できる世界と思っていたけど、そうやなかった。(略)1年で帰るのは格好悪いと
思ったけど、あんな過酷な中で上にケガ人が出るのを待ってられへん。野茂さんとロスで食事して
『ノリちゃん、よくやったよ。凄いことだよ』と言われて吹っ切れました。イチローでも、マイナー契約
してたらメジャーには上がれんかったでしょうね」