俺、面白いなぁと思うのが、挨拶が出来ない子供、と言うが、実際に彼ら子供の中だけで
完結している閉鎖系コミュニケーションを見ると、プロトコール(外交儀礼)と呼ぶにふさわしいほどの
厳格なルールが存在しているって事。
顕著なのはメールだが。お互いの親密度によって絵文字の使い方、表題の書き方、
返答までに要する時間、文章の長さ。など自然発生的な規律が存在する。
彼らの中ではコミュニケーションの手段として、または、序列の確認行為として、形を変えた「挨拶」の
やりとりは明確に行われている。学校で同級生にあっても、親にも教師にも会釈すらしないが、
一方で仲間同士ではその厳格なルールを守らなければスポイルされという強迫観念に苛まれ
莫大なストレスの代償を、彼ら彼女達は背負っている。

パラパラがブームになったときにも思ったのだが。あれ、大人にはハチャメチャに踊っているだけに
みえるのだろうが、定められたルールを見ていくと、茶道や武道などに通じる実に日本的な様式美を
内包している事がわかる。ステップなどの手足の動作は全員が一致してなければならず、また
立ち位置などもそのグループ内部での序列により決まる。

礼儀がなってない、挨拶ができない、と言うが、実はそんな事なくて、子供同士のコミュニケーションでは
大人の社会以上に重要な役割を担っている。