私はケツを出したまま今年度上半期ベスト3にランクインする勢いで熟考した。
ふと、仕事でタイに滞在していた時の事を思い出した。
タイでは日本のような便所はなく、道端の草陰で用を足すのが普通なのだ。草陰といっても顔は往来から丸見えであるから、
道を歩いているとうら若き女性が用を足しているのがわかってしまうというスカトロ大国なのだ。
なので、大便中に知り合いなどが通った時などは日本人の私には非常に気まずかった。
こちらはケツ丸出しで排便中なのに、「サワディ(こんにちわ)」などと笑顔で挨拶されてもちょっと困るものがある。
話しがそれたが、タイではケツを拭くときに紙などは使わず、予めバケツに水をもって用を足し、終わったら指で拭いて
その指を水で洗うとい方法が用いられている。一見指に大便が付着するのが不潔のように感じるが、慣れてしまえば
天然のウォシュレットのような物で、非常に清潔である。予断だが、入国して1週間くらいの時に、
林の中で用を足していたら20歳位の可愛い女性がいきなり近づいて来て、泡を食った事がある。向こうは親切にもバケツを
持って来てくれたのだが、こっちにしたら生き恥である。ウンコしてんだから来るなよな。
さて、本題に入ろう。不幸中の幸いで、終電間際は人が少ない。
当然便所も然り。私がケツ丸出しになってからは人が入ってきた気配は無い。
帰国間際に滞在した村の村長さんに「お前はタイ語さえ喋れば誰も日本人とは思うまい」とまで言われた私だ。
(実は今でも家でたまに「天然ウォシュレット」を使っている)手洗いまでこのまま行って事を済まし、
ズボンを穿くのに20秒とかかるまい。よし決行だ!私は意を決して個室から出陣した。
頭の中では、私の決意の表情のアップ、そしてスローモーションで立ち上がり、今まさに戦場に向かい歩み始める
映画の主人公の勇姿が浮かんでいた(実際はズボン押さえながら丸出しのケツを突き出してアヒルのように歩く中年男なのだが)。

さらに続く