>>368
ドイツ語の場合、過去形が不規則な動詞(強変化動詞、混合変化動詞)は
過去分詞も不規則だから、例外多数→例外少数の圧力では説明できないと
思う。lesenの場合はたまたまge-を付けるだけで過去分詞gelesenになるが、
こういうタイプの(不定詞と過去分詞の幹母音が同じ)動詞はむしろ
少数派だ。

ドイツ語でIch las schon das Buch.のような表現が嫌われるのは、
「副詞schonを使えば現在完了のかわりに単純過去で済ませてよい」という
文法的規範がないからではないかと私は考えている。英語や北欧語と違って
ドイツ語では単純過去の使用範囲が非常に限られていて、完了や経験は
もちろん、単なる過去の出来事に対しても(特に会話体では)現在完了を
用いるのが普通だ。
つまり、現在完了を使うと単純過去より明らかに発音コストが大きくなる上に、
完了の助動詞にseinとhabenのどちらを使うかという面倒な区別まで生じるにも
かかわらず、現在完了が好まれるわけだ。なぜドイツ語がそうなってしまったのか、
私は専門家でないので全く推測すらできないが。