>>607
中国語は、まず、古韻の研究などから、甲骨文字以前か、あるいは
甲骨文字の段階か、そのころ(BC1500年ごろ)に屈折語で
あった可能性が指摘されている(あまり広く受け入れられているわけ
ではないが)。で、先秦から、漢代ごろだと、かなり完璧な孤立語。
ただ、その後、多音節語彙が増え、かつ動詞が介詞化するなどの他、
かなり膠着性を強めている。とくに北京語は、ル化で語尾変化に相当
するものもあって、漢字で書いているから、孤立語のようだが、実際
は膠着語といってよい。また、膠着によって内部の母音が変化する
ことも始まっているので、そろそろ屈折語か、というような状況。
だとすると、およそ4000年で一周したことになる。
インドヨーロッパ語については、完璧な屈折語であった古代のゲルマン
語から、現代のほぼ孤立語といってよい状況になりつつある英語の
例があるし、ロマンス語も、概ねラテン語にくらべて孤立語になり
つつある状況が見える。こちらは、古典時代から2000年程度で
この変化だから、やっぱり一周するには、4000年くらいが妥当か。
ディクソンあたりの、岩波新書の本に書いてある。