ユンヌが実体化しても、外見年齢的に……(覇王の嫁達から目をそらしつつ

ルフレ♀にとって、ある意味最大のライバルだな、村娘



※ このネタに限り「ロイが鈍感ではない」設定です

「何か悩み事?」
 呆っと座って天井を眺めていたロイの視界に、逆さまのカムイの顔が入り込む。
「……近いよ、姉さん」
「あっはっは、照れるな照れるな青少年」
 苦言を呈するも、返ってくるのは快活な笑み。
「んで? お悩みなら、お姉ちゃんに話してごらん?
 誰かに聞いてもらうだけでも、楽になることもあるよ?」
 笑ったまま向けられる、見透かしたような、いや、事実見透かしているのだろう眼差し。
 敵わないな、と、ロイは改めて苦笑する。
「……姉さんや兄さん達の真似は、できないな、ってね」
 短い、曖昧な返答。
 姉がカムイを指すとして、兄達が誰なのかも不明瞭な1文。
 それでも、カムイは、ロイの悩みの内容まで、余さず察した。
「誰か1人を選ぶことは、何も悪いことじゃないよ」
 背中合わせで、ロイの後ろに座って、カムイは語る。
「あたしも、アイクお兄ちゃんも、エフラムお兄ちゃんも、特例と言えば特例。
 エリウッドお兄ちゃん、ヘクトルお兄ちゃん、エイリークお姉ちゃんだって、『普通』ではないよね」
 後悔はしていないけど、と、また笑う。
「全員を選べないからって、負い目に感じる必要はないよ。
 誰かを選ぶなら、選ばなかった相手にもしっかり向き合いなさい、ってだけ。
 ロイが選んだ時には、あたしも、兄弟みんなも応援するよ。
 どうしたいか、しっかり考えなさい。まだまだ若いんだから」
 年齢はそこまで変わらないのに、やけに大人びた台詞。
「…………そうだね。後悔は、しないように……」
 カムイの表情は、ロイには分からない。
 ロイの表情は、カムイからは見えない。
 背中合わせの姉弟は、そのまましばらく、座っていた。