それはある午後の昼休みの出来事だった。
 俺と先輩は昼食を食べ終え、いつものように世間話をしていた。

【俺】「入社して二年になりますが、覚えることが多くて相変わらず忙しいですね」

【会社の先輩】「忙しいうちが花ってやつさ」
【会社の先輩】「けど、この歳になると生きてる価値ってのを忘れそうになるよ……」
【会社の先輩】「定年したら田舎で農業でもやりたいねぇ……」

 俺もこの人も都会育ちで土いじりはほとんどしたことがない。
 だからそういうのに憧れがあるのかもしれない。
 それに先輩は今年で五十になる。そろそろ先のことを考えているのだろう。

【俺】「じゃあ、俺が畑を耕しますよ」
【会社の先輩】「はは、こやつめ。 じゃあ任せようかな」

 あの冗談半分の会話から数日後。
 気がついたら辞めていた。
 先輩には考え直せといわれたが、どういうわけか辞めるという俺の決意は固かった。


 それで、勢いあまってこの東北の田舎町まで移住してきた。



この前後の展開が分からないから文意だけ変えないようにやってみた。