「少年とロボット」

カウポー市立病院の一室。
そこには足が不自由で、生まれたときから病院で暮らす少年リッケルが居る。
辛いリハビリの毎日で、リッケルの唯一の楽しみが「ロボット」。
毎日毎日、「ろぼカード」を飽きること無く眺めるリッケル。

リッケル「いいなあ...お兄ちゃんたちはロボット乗りなんでしょ?」
    「ぼくもいつか、ロボット乗りになるんだ」                        

そう言って、痩けた頬を歪めて痛々しく笑うリッケル。
親友とリッケルが、ロボについて熱く語り合う。

病室を出るとき、看護婦に話しかけられる。

 「すみません...あの、ロボット乗りの方ですよね?」
 「実は、明日はあの子の誕生日なんです。」
 「不憫な子なんです...毎日毎日、見てるこっちが辛くなるようなリハビリに耐えて...」
 「せめて誕生日くらいは、すてきな思い出を作ってあげたいんです。」
 「どうか明日、あの子にロボットを見せてやってくれませんか?」

親友「...お前、まさか断らないよな?」
  「どうせやるなら、ハデにやろうぜ!」
  「明日の夜、こっそりロボに乗せてやろう」
  「大丈夫だって!夜なら人通りも無いし」
  「病室の窓から降ろせば大丈夫だよ。」
  「この間搭載した、駆動消音機の具合も試したいしな」