トップページgamedev
1001コメント439KB

☆メンボスレ☆ Part2 美咲とメンボ

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名前は開発中のものです。04/05/16 16:16ID:BNci8GEi
 ゲーム作るにゃ一人じゃ出来ぬ。サイトで募集しても応募が
無いそこの貴方、内気でホムペも持っていないそこの貴方も、
どうせ諦めるならその前にここでメンボしてみないかい?

ルール
・募集担当、人数はちゃんと書きな。現スタッフ数もな。
・冷やかし禁止
 誹謗中傷する人間はスルーして相手にしないように
・個人情報は詮索スンナ。連絡手段はフリーメール等を。
・すべてにおいて常識の範囲内で

前スレ
☆メンボスレ☆(メンバーボシュースレッド)
http://pc5.2ch.net/test/read.cgi/gamedev/1005323011/
0002名前は開発中のものです。04/05/16 16:18ID:BNci8GEi
自作ゲーム評価スレ
http://pc2.2ch.net/test/read.cgi/gamedev/1010018331/
■自主製作ゲーム:開発状況報告スレVer0.3■
http://pc2.2ch.net/test/read.cgi/gamedev/1071809112/
【総合】プロジェクト発表【作ってます】
http://pc2.2ch.net/test/read.cgi/gamedev/1043382224/
ネトゲ作ろうぜ!開発サイト
http://www2.aqweb.net/netg/
俺らでネトゲ作ろうぜ
http://jbbs.shitaraba.com/game/10598/oreradenetoge.html
0003名前は開発中のものです。04/05/16 17:13ID:tpn3MUum
なんだよ美咲って
0004名前は開発中のものです。04/05/16 17:32ID:b74ZsW5L
>3
変なスクリプト
0005名前は開発中のものです。04/05/16 17:41ID:CMVk2RY+
ホワイトアルバムじゃないのか
0006名前は開発中のものです。04/05/16 19:01ID:sFoI/AxF
岬河名
0007名前は開発中のものです。04/05/16 19:10ID:QQ4dK/Sc
なんでパリスって呼ばねーんだよ!!
0008名前は開発中のものです。04/05/17 00:09ID:QQiItsgA
美咲が亡くなって、2週間が過ぎた。
遺体の火葬も終えて、残された家族は、いわゆる「日常」を取り戻していた。
動かなくなった美咲を見て取り乱していたおふくろも、今はすっかり落ち着いている。

美咲の死は悲しい出来事だったが、今回のそれはかなり救われた部分もあった。
ひとつは、まがりなりにも退院できたこと。病室のベッドの上で死ぬよりもずっといい。
それから、残された家族が受けた衝撃も少なかったと思う。今まで生きていたとは言え、
ずっと入院していた美咲は、「一緒に暮らしていた」わけではなかったので、
喪失感はあまりなかったことも確かだ。

そして最後に見せた笑顔。美咲は幸せなまま死ぬことができたよ・・・。
その時の様子を何度も尋ねるおふくろに対して、俺はいつもそう答えていた。
そう、それは嘘じゃない。あんな笑顔をする美咲を、俺はこれまで見たことがない。
最後に幸せな思いができたんだから、それでいいじゃないか、と。

警察には何度か事情を聞かれた。
美咲を跳ねた車はそれほどスピードを出しておらず、普通ならケガで済む程度だったらしいが、
病み上がりで小学生体型の美咲はその衝撃に耐えられなかったらしい。
もしかすると打ち所が悪かったのかもしれない。そんな話も耳にした。
俺は警察やおふくろに対して、そのときの様子を正直に答えていたが、ひとつだけ隠している
ことがあった。

そう、美咲が死ぬ前に言っていた、遺伝子組換えの能力。
今となってはそれが事実なのか美咲の妄想なのかわからない。喫茶店で見せた能力も、
改めて考えると単なる気のせいとしか思えない。
第一、本当にその能力で不老不死というのなら、なぜあんな交通事故で簡単に死ぬのか。
病気は簡単に治すことができても、不慮の事故には全くの無防備だというのか。

それと、最後に妙に明るかった美咲の性格と、ポップコーン。この2つの話も誰にもしていない。
これらは俺が墓まで持って行く、美咲と2人だけの秘密だ。
0009名前は開発中のものです。04/05/17 00:10ID:QQiItsgA
決して忘れられないその日は、たまたま俺しか家にいなかった。
親父は相変わらず仕事、おふくろは近所のオバチャン連中に連れ出されて都内のデパート巡り、
皐月は部活。残された俺だけが一人、夕方のニュースを垂れ流すTVとにらめっこしていた。

オバチャン連中がおふくろを引っ張りまわしてくれているのは、正直ありがたかった。
彼女達も落ち込んでいるおふくろを励まそうとしているわけだし、この家で俺とおふくろの
2人きりになったら、どうしても美咲のことを考えてしまう。
美咲は幸せだった。あとは残された俺達が、美咲の分も幸せになることだ。

ピンポーン

不意に呼び鈴が鳴る。誰だろう?
家にいるのは俺だけで、無視するわけにもいかない。

ガチャリ

扉を開けるとそこにいたのは。

「ただいま、お兄ちゃん」
「・・・美咲?」
「うん」

信じられない。美咲だ。美咲が帰ってきた。どうして? どうやって?

「お前、幽霊か・・・」
「違うよ、ちゃんと生きてるよ。玄関で話もあれだから、とりあえず中に入れて?」
「おい」
「うわー、オウチだー。2年ぶりー。なつかしー」
0010名前は開発中のものです。04/05/17 00:11ID:QQiItsgA
美咲は俺のことなどお構いなしに、勝手知ったる我が家(その通りだが)とばかりに
家の中へズカズカ入り込んでいく。
見た目はいつもの美咲だが、中身は最後に見せた明るいほうの美咲のようだ。

「お前、ちょっと・・・死んだんじゃなかったのか?」
「うーん。ちゃんと説明したほうがいい? いいよね。
 お兄ちゃんの部屋に行っていい? そこで話すよ」

美咲が帰ってきた。嬉しいか俺? 答えはノーだ。
嬉しさよりも先に、納得できる答えが欲しかった。
コイツは本当に美咲なのか、偽者なのか、それとも親父やおふくろもグルになった
ドッキリの一種なのか。それとも、俺の美咲を思う気持ちが生んだ、幻なのか。

美咲は1階を一通り見た後、俺の部屋を目指して階段を昇っていく。
仕方なく俺もついていこうとした瞬間、美咲はくるっと振り向いた。

「ところでお兄ちゃん、お兄ちゃんって彼女いる?
 まさか私が死んでから新しい彼女を見つけたりしてないよね?」
「いないよ、美咲が死んでそんなことできる気分じゃないだろ」
「えへへ、そうだよね。嬉しいな。お兄ちゃん、好きだよー」

この2週間、網膜に貼り付いて離れなかった笑顔がそこにあった。
無意識に伸ばした俺の手を美咲はひょいと避けると、階段を昇って俺の部屋へ入っていった。

「くそ・・・」

いくら愛しいからとは言え、妹で正体不明の女の子に手が出るなんて・・・。
考えるよりも先に手が出てしまった今の行動を、俺はひどく後悔した。
0011名前は開発中のものです。04/05/17 00:11ID:QQiItsgA
「お兄ちゃんの部屋も、あまり変わってないねー。
 あ、ゲーム機買ったんだ。これなんていうマシン?」

美咲は俺の部屋ではしゃいでいた。
もとから整理されていない俺の部屋だが、美咲の幽霊?に引っ掻き回されて、
さらにガラクタが散乱することになった。
もしや、こいつの正体はポルターガイストか?

「さて」
「なあに? お兄ちゃん」
「お前は何者なんだ? どうしてここにいるんだ? 説明しなさい」
「はーい」

美咲は手にしていたオモチャをもとあった場所に戻して、
俺の目の前にペタンとすわる。
ストレートの髪にシルバーフレームの眼鏡、襟の付いた縞シャツに
少し長めのスカート。喫茶店で話したときと同じ容姿だ。

「どこから話したらいいの?」
「お前の正体だ。美咲なのか、偽者なのか、幽霊なのか」
「うん、美咲は美咲だよ。本物。お兄ちゃんの妹、今はもう血がつながっていない妹」
「血がつながってないって・・・」
「やだな。お兄ちゃん、もう忘れちゃったの?」

忘れてなんかいない。忘れられないぞあれは。

「たしか遺伝子組換えとか言ってた、アレか?」
「うん。美咲ね、事故で死んで葬儀場で焼かれて骨になったけど、生き返っちゃった。
 死ぬ前に骨になっても復活できるよう、遺伝子を組み換えておいたんだよ。スゴイ?」
「あ、そうなんだ。それは、はは、スゴイな・・・」
0012名前は開発中のものです。04/05/17 00:12ID:QQiItsgA
信じられない。まだ幽霊のほうが納得できる。
しかし信じないことには話が先に進まないだろう。今はとりあえず美咲のことについて
いろいろ知りたい。信じたことにして、俺は話を続ける。

「それで今日はどうしてここに来た?」
「うーんとね、今お兄ちゃんしかいないってわかったから、会いに来ちゃった。
 だって2週間だよ。2週間もお兄ちゃんに会えなかったんだよ。美咲、寂しくて・・・」

そう言って、病室のベッドから離れられなかった頃の、あの美咲の表情をする。

「そうか。美咲が実は生きていて、お兄ちゃんに会いに来てくれて、俺も嬉しいよ。
 おふくろも喜ぶだろうな」
「あ、それなんだけど・・・」
「どうした? おふくろに会いたくないのか?」
「えーとね。怒らないで聞いてくれる?
 あの事故は、わざとやったの。美咲は、わざと車に引かれて、わざと死んだの」

美咲の告白。それは好きとか愛してるとか言われるよりも衝撃的だった。
あの事故は美咲がわざと起こした。そんな馬鹿な。

「怒ってる・・・? ゴメンね、お兄ちゃん」
「い、いや。怒ってはいないけど、ビックリした。でもどうして・・・」
「だって、だって・・・」
「美咲・・・」

それまでうつむいていた美咲はぱっと顔を上げて、俺を見つめる。
0013名前は開発中のものです。04/05/17 00:14ID:dr3HXCTT
「お兄ちゃんが、好き。お兄ちゃんのこと、愛してる!
 でも美咲がこの家の子だったら、兄妹の関係だったら、一緒にはなれないでしょ。
 だから美咲は一度死んで、新しく生まれ変わることにしたの」
「それは・・・そんなことが」
「お兄ちゃんは、昔から美咲に優しかったし、美咲の病気も治してくれた。
 お医者様も治せなかった美咲を治してくれたのは、お兄ちゃんのくれたポップコーン。
 あのポップコーンが美咲を変えてくれたんだよ。
 だからお兄ちゃんは、美咲の命の恩人。美咲は、お兄ちゃんのためだったら、なんでもできるよ。
 だから、だから、美咲を嫌いにならないで・・・恐がらないで・・・お願い」

いつの間にか美咲は涙ぐんでいた。以前はこんなに感情の激しい娘じゃなかったのに。
もしかしてこれも、あの能力で自分の性格を変えたのだろうか。

「美咲、落ち着いて。俺も美咲が好きだよ」

それはLOVEではなくLIKEなのだが、今はこう言って美咲を安心させよう。
よくできたお兄ちゃんだぞ俺。

「お兄ちゃん・・・」
「今日は、泊まっていくか? なんなら、お兄ちゃんが添い寝してあげるぞ」
「ううん、美咲はこの家には居られない」
「な・・・」
「美咲、そろそろもう行くね。お母さんが帰ってきちゃう。
 今度会うときは、お兄ちゃんとはステキな出会いから始めるの。
 美咲の遺伝子組換え能力で、きっとお兄ちゃんとつりあうステキな女性になっているから。
 だから、また会おうね!」
「おいっ」
「最後に、このことは2人だけの秘密だよ? 誰にも言っちゃダメ」
「待っ・・・」
0014名前は開発中のものです。04/05/17 00:14ID:dr3HXCTT
俺の返事も聞かず、美咲は部屋を飛び出していった。
突然の行動に俺の身体は対応できず、あわてて後を追ったが美咲はもう家にはいなかった。

「美咲・・・」

リビングのTVが付けっぱなしだったことに今気づいた。
ニュースが終わって、CMをやっている。新製品のお菓子をB級タレントが下品に頬張る。

プチッ

俺はTVを消した。
しばらくして両親と皐月が帰宅し、一家団欒の夕食となったが、
俺はそこに居ない美咲のことだけをずっと考えていた。

-------------------------------------------------------
0015名前は開発中のものです。04/05/17 00:23ID:0x7VBTGc
('A`)
0016名前は開発中のものです。04/05/17 00:31ID:5Bf/cuT2
エロゲーっぽいな
0017名前は開発中のものです。04/05/17 02:00ID:SzHmILIH
美咲って名前の女はエロい。間違いない。
俺、童貞だけどね!
0018名前は開発中のものです。04/05/17 05:25ID:4l2kfOZg
この怪奇小説とメンボスレとどういう関係があるのだ?
0019名前は開発中のものです。04/05/25 00:29ID:fktYBOeA
死んだはずの美咲が家にやってきて、2日が過ぎた。もちろんこの出来事は、
おふくろにも親父にももう一人の妹である皐月にも、話してない。
大学と自宅を電車で往復1時間かけて通学するだけの俺の日常はそれまでと変わらなかったが、
美咲が別れ際に放った言葉が、頭からどうしても離れなかった。

また会おうね。
お兄ちゃんとつりあうステキな女性になっているから。
お兄ちゃんとはステキな出会いから始めるの。

美咲はそう言った。俺の日常の中に、美咲がどういうカタチで侵入してくるのか、
この2日間はそれだけをずっと考えていた。
まさかまた家に押しかけてくることはしないだろう。だったら大学か。電車の中でバッタリか。
それとも俺がよく行くコンビニで待ち構えてるのか?

「おーい、バカ兄貴。めしー」

階下から皐月の怒鳴り声が聞こえてきた。
自分の部屋で机に向かって、PCも点けずに美咲のことだけを考えていた俺は、
適当な返事をしつつ、食卓へ降りていった。

既に皐月とおふくろが食卓についていた。親父はまた残業だろう。
この家にいる家族全員が揃ったところで、夕食となった。

「いただきまーす。さて何から食べようかな?
 このコロッケ、いつもの野菜のヤツ?」
「そうよ。アンタの大好物よ。よく噛んで食べるのよ」
「はーい」

俺も反射的に箸を取り、無意識に御飯を口に運び、義務的にそれを噛む。
もちろん、味なんて感じられない。
0020名前は開発中のものです。04/05/25 00:30ID:fktYBOeA
「どうしたん? 元気ないジャン?」

口をモグモグさせながら、皐月が俺に話しかける。
こんながさつな妹でも、一応心配してくれるらしい。

「いや・・・なんでもない」
「もしかしてまた美咲のこと考えてるの? もうしかたないジャン。
 兄貴がいつまでもクヨクヨしてたら、美咲も浮かばれないよ?」
「そうだな・・・」
「元気出しなよ、兄貴。
 それともアタシがデートして元気を分けてあげようか?」

ガタッ

俺は思わず席を立つ。驚く皐月とおふくろ。
妹とデート、そのキーワードが俺の中で反響する。

「ゴメン、今日はもういい。ごちそうさま」
「あらあら・・・」
「どうせまたあとでお腹空いたとか言ってくるよ。
 とりあえず兄貴の分のコロッケはこの皐月ちゃんがもらうね」
「ああ・・・」

俺は自分の部屋に戻ることにした。
能天気で何も考えてない皐月がうらやましい。
いや、アイツは美咲が生きていることを知らないから、割り切れるのだろう。
美咲が実は生きていて、人智を超えた能力を持って、俺に会いに来る。
愛しさと恐怖がドロドロに混じった感情、それが美咲に対する今の俺の気持ち
なんだろうな。
0021名前は開発中のものです。04/05/25 00:30ID:fktYBOeA
「こんばんは」

部屋のドアを開けると、そこに美咲がいた。
声を上げなかったのはえらいぞ俺。
代わりに、皐月のバカ笑いが下から聞こえてきた。

「来ちゃった、えへへ」
「お前・・・どうしてまた」
「一度顔見ちゃうと、また会わないでいられなくなるね。
 ホントはこの部屋で、お兄ちゃんの匂いだけ吸って帰るつもりだったけど、
 お兄ちゃん突然戻ってきちゃったから。ついでに顔も見ておこうかなって」

にっこり笑う美咲。その後ろで部屋の窓が開いている。俺も昔はここから出入りした
ことがあるが、小学生体型の美咲にはツライだろう・・・と思いつつ美咲をよく見ると。

「お前、背が・・・成長したのか?」
「うん、やっぱり小さい身体だといろいろ不便だよ。
 年相応になってみたけど、おかしくない?」
「ああ、可愛いというか・・・その、綺麗になったよ」
「えへへ、お兄ちゃんにそう言ってもらえると、美咲うれしいな」

初めてドレスを身に着けたお姫様のように、美咲はその場でくるりと回る。
見たところ15歳くらいか。眼鏡もかけていない。
服装は、どこから調達したのか、白のワンピースと胸元に黄色のリボンだった。
0022名前は開発中のものです。04/05/25 00:31ID:fktYBOeA
「それで今日はどうしたんだ?」
「あのね、美咲、ステキな女性になるって言ったけど・・・
 考えてみたら、お兄ちゃんの好みって知らないんだよね」
「・・・」
「だから、お兄ちゃんの好みってどんな感じの女性なのか、調べておこうと思って。
 お兄ちゃんの部屋に侵入したんだけど・・・」
「はぁ・・・」

その考えがいかにも美咲らしくて、少しだけ嬉しくなった。
昔からコイツは、相手の喜ぶことをマメに調べて、人間関係の円滑化に役立てていたな。

「でも本人がいるなら、本人に聞けばいいよね。
 お兄ちゃん、お兄ちゃんの好みってズバリ何? 教えて?」
「何を急に・・・」
「やっぱりスタイルのいい女性かな? きょにゅう、って言うんだっけ?
 背の高いほうが好みなの? それとも、小さい子がいいの?
 美咲、何だってなれるよ」
「ば、ばか。そんなこと言えるか!」
「おーしーえーてー」

美咲は俺の肩をつかんでユサユサし始めた。揺れる俺の身体がほんの刹那、
美咲の胸に触れる。うわ、ちゃんと胸も大きくしたんだな美咲。
俺は自制心を失いそうになる自分を客観的に見つめ、それ以上興奮することはなかった。
0023名前は開発中のものです。04/05/25 00:31ID:fktYBOeA
「まさお、どうしたの? ネズミでもいるの?」

階下からおふくろの声がした。マズイ。
ここは美咲に引き取ってもらわないと。

「美咲、おふくろが来ちゃうぞ。
 今日はもう帰れ」
「うーん、そうだね。バレちゃマズイね。
 美咲、お兄ちゃんを困らせたくないから、今日はこれで帰るね」
「おう、そうしてくれ」
「今日はお兄ちゃんの顔が見れたから、満足。
 また会いに来ていい?」
「いつでも・・・いやそれはやっぱり、考えさせてくれ」
「えへへ、冗談だよ。見つかると大変だもんね。
 今度はお外で、ゆっくりとお話しようね、お兄ちゃん!」
「ああ・・・」
「バイバイ!」

美咲はくるっと反転すると、開いている窓から飛び出していった。
俺も続いて窓に駆け寄るが、外には動いているものは何も見えない。
街灯がチカチカと明滅する、いつもの住宅地の夜だった。
どうやって消えたのか、わからない。猫にでもなったのか?
そもそも美咲の遺伝子組換え能力は、猫になることもできるのか、
正直わからないのだが・・・。
0024名前は開発中のものです。04/05/25 00:33ID:kDwIF2an
「兄貴ー、エルカちゃん出てるよー、TV」

今度は皐月の声が聞こえてきた。
エルカは最近人気が出てきた、俺の好きな巨乳タレントだ。
(胸以外は)あまり自己主張しない、おっとりとした性格で、守ってやりたくなるタイプだ。
よく、突っ込み系のバラエティ司会者にいじられている。その困った顔がまた魅力的だ。

ふと、妖しい妄想が頭をよぎる。美咲にエルカちゃんになってくれ、
とお願いするのはどうだろう? できるのかな?
エルカの遺伝子をコピーすればいいのか? しかしあの乳は整形っぽいからな。
元のエルカの遺伝情報には含まれてなさそうだ。
いや、でも、美咲はそういった部分も組み換えられるんじゃないか?
脂肪の蓄積を制御する遺伝子があったとして、それをチョチョイと組み換えて
胸に脂肪がたくさん集まるようにすれば、ボイーンと膨らむような気がするぞ。
ダメなのか? 今度聞いてみるか?

そこまで考えたところで、はっと我に返る。いつの間にか両手を上げて、
何か大きく丸いものを揉むような手つきになっていた。これじゃ変態だ俺。

大体、そんなこと美咲にお願いなんてできるか。美咲はドラえもんでもバケルくんでも
ないんだぞ。いくらなんでもそれは美咲の人格を踏みにじりすぎだ。

「ああ、マズイマズイ」

新しい美咲に遭遇してから、自分の中にあると思っていたモラルが、どんどん
崩壊していくのがわかる。理性がガリガリ音を立てて日増しに削られていく。
ひょっとして、美咲の能力で俺も変容させられているのか?
そんなことはないだろう。それはわかっている。わかっていても、そう考えてしまう。
わかっているのに、そうやって美咲のせいにする自分がすごくイヤだった。
0025名前は開発中のものです。04/05/25 00:34ID:kDwIF2an
「兄貴ー、TV見ないのTV。エルカちゃんだよー」
「今行く」

一人で考えていても結論は出ない。
今は、もう一人の妹、皐月と一緒に馬鹿みたいに笑おう。
ちょうど腹も減ってきたし。
美咲のことは、また後で考えよう。考えなければいけない時が、きっと来るだろう。

俺はおふくろに夕食を温め直してもらい、リビングにいる皐月と大声で笑った。

-------------------------------------------------------
0026名前は開発中のものです。04/05/25 01:04ID:8vKaFMOS
      r;ァ'N;:::::::::::::,ィ/      >::::::::::ヽ
.      〃  ヽル1'´        ∠:::::::::::::::::i
       i′  ___, - ,. = -一   ̄l:::::::::::::::l
.      ! , -==、´r'          l::::::/,ニ.ヽ
      l        _,, -‐''二ゝ  l::::l f゙ヽ |、 ここはお前の日記帳じゃねえんだ
        レー-- 、ヽヾニ-ァ,ニ;=、_   !:::l ) } ト
       ヾ¨'7"ry、`   ー゙='ニ,,,`    }::ヽ(ノ  メモ帳にでも書いてろ。
:ーゝヽ、     !´ " ̄ 'l,;;;;,,,.、       ,i:::::::ミ
::::::::::::::::ヽ.-‐ ト、 r'_{   __)`ニゝ、  ,,iリ::::::::ミ    
::::::::::::::::::::Vi/l:::V'´;ッ`ニ´ー-ッ-,、:::::`"::::::::::::::;゙ ,  な!
:::::::::::::::::::::::::N. ゙、::::ヾ,.`二ニ´∠,,.i::::::::::::::::::::///
:::::::::::::::::::::::::::::l ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /
::::::::::::::::::::::::::::::! :|.\;::::::::::::::::::::::::::::::/ /
0027名前は開発中のものです。04/05/25 01:09ID:aH+42FE9
自分で創作してるのか。
これも一つのメンボのかたち。
0028名前は開発中のものです。04/05/25 02:03ID:h1HQatTq
何を募集しているのか気になるところ。
0029名前は開発中のものです。04/05/25 19:31ID:aH+42FE9
美咲小説をゲーム化してくれる人たち
0030名前は開発中のものです。04/05/25 20:10ID:Lkd08ela
妹を募集してるんじゃないの?
0031名前は開発中のものです。04/05/27 00:10ID:iGJRPMd4
その日は大学に来たものの、いきなりすることがなくなった。
2コマ目の教育心理学が休講で、昼休みと合わせて2時間半の時間が空いてしまった。
仕方なく俺は前から気になっていた文庫本を生協で購入し、大学構内のベンチで
それを読むことにした。

いい天気だ。ポカポカとした陽気は、初夏のそれにふさわしい。
皐月も海のシーズン到来ではしゃいでいたな。
夏が近づくだけで喜べるとは、皐月も安上がりなヤツだ。


文庫本のページを20ページほど繰ったところで、俺の隣りに誰かが座る気配がする。

「お兄ちゃん」
「・・・」

顔を上げなくてもそれが誰なのかわかった。
まさか昨日の今日でまた現れるとは思わなかった。
声の主が誰なのかは既に分かっていたが、その姿を確認するため、俺は顔を上げる。

「美咲か・・・」
「うん、お兄ちゃん」

美咲は、昨日別れたときと同じ姿の美咲だった。
そりゃそうだ。昨日は俺の好みを聞きそびれていたからな。
しかしちょっとだけ大人っぽくなった美咲は、そこに居るだけで充分、俺をドキッとさせる。
0032名前は開発中のものです。04/05/27 00:10ID:iGJRPMd4
「今日はどうしたんだ?」
「うん、お兄ちゃん、暇そうだったから。お話しても、いい?」
「いいぞ」
「えへへ、どんなお話しようかな・・・」

美咲は初夏の日射しを浴びて、キラキラと輝く。
以前は病室で本を読んでいるのが似合う、暗い文学少女だったのだが、やっぱり女の子は
笑顔が一番だ。こんな明るい美咲に出会えたのだから、あのポップコーンには感謝しないと。
たとえそれ以外の何か怖ろしいことが、これからの2人に待ち構えていようとも。

「美咲、お前は今どこに住んでるんだ?
 お腹は空かないのか? お金は持ってきるのか?」
「うーん、それは内緒にさせて。
 お腹は・・・エネルギーを摂取する方法ならいくらでもあるし。
 お金はね、まあ、いろいろ。美咲にも、見られたくない部分はあるんだよ」
「そうか・・・。ウチ来て一緒に住むことはしないのか。なんなら、おふくろには俺がきちんと
 説明するぞ」
「うーん、それはパス。ごめんね。
 一緒に住むのがイヤとか、2人だけのヒミツを守りたいとか、そういうことでもないの。
 なんていうか・・・」
「なんだ? それも言えないことなのか?」
「説明が難しいよ。美咲、もっと頭良くするね」
「おい」

シューン!

またあの光が美咲から立ち上る。例の遺伝子組換え能力か。
光が消えた後、そこにいた美咲は、ちょっとだけ変化していた。
目つきが、鋭い。直視されるとたじろぐような視線を持った美咲。それ以外は変化なし。
可愛い美咲が理知的な美咲になったと言えばいいか。
まるで、育成シミュレーションゲームのキャラクターみたいだと考えてしまう、俺。
0033名前は開発中のものです。04/05/27 00:11ID:iGJRPMd4
「うん。それじゃ説明するね。
 どうして一緒に住まないか、その説明を求めてるんだよね」

新しい美咲はさっきより早口だ。

「お兄ちゃんと一緒に居たいというのは本当の気持ち。
 でも常に傍にいるのは、男女の関係として実は良くないの。
 やっぱり、飽きてしまうから。男女の関係には刺激がないとね」
「なるほど・・・」

この年になって、妹に恋愛論を語られ、それに納得させられるとは思わなかった。
理知的バージョンの美咲、あなどりがたし!

「お兄ちゃん、聞いてる?
 それでね、美咲は考えたの。恋人の甘い関係を維持するにはどうしたら良いか。
 毎日べったりだと飽きてしまうから、距離をおくべきだって。
 付かず離れずの距離で、お兄ちゃんをじらそうって」
「・・・」
「きっとお兄ちゃんは、美咲に会わない時も、美咲のことを考えてる。
 美咲がいつ来るかドキドキしながら、そのときを楽しみにしながら、退屈な毎日を過ごしている。
 美咲にはそれがわかる。だからお兄ちゃんは美咲を見ると、本当に嬉しそうな顔をしてくれる。
 そんなお兄ちゃんを見て、美咲はすごく嬉しくて、もっともっと好きになる。
 これってすごくいい関係じゃない?」

当たっている。わが妹ながら、なんという洞察力。末恐いやつだ。
いや、コイツはもう、俺の知っている妹としての美咲を超えた存在だったんだな。
あらためてそう感じさせられた。
0034名前は開発中のものです。04/05/27 00:11ID:iGJRPMd4
「そうだな・・・美咲の言うとおりだよ」
「えへへ。本当は、ちょっとだけ推測も入っていたんだけどね」
「そうか・・・」

俺はさっきから適当な相槌しか打ててない。まったくこいつは不思議な妹だ。
会うたびに新しい美咲を見せてくれる。それも美咲の言う、「刺激」なんだろうな。
それは妹とか恋愛感情とか、そういったものを抜きにしても魅力的なものであって、
それ故に俺はますます美咲にハマっていく。

「そうそう。今日はお兄ちゃんにお弁当を作ってきたの。
 お昼まだでしょ? はい」
「おお、サンキュ」

今の時間は11時頃か。空腹というほどではないが、目の前に食べ物があったら手を伸ばす時間だ。
俺はありがたく、美咲から包みを受け取る。

パカッ

中身はサンドイッチだった。ハム・タマゴ・きゅうり、そしてイチゴとクリーム。
色とりどりの具材が、白と胚芽色のパンに挟まって、実に鮮やかだ。
これが、これが、妹からのお弁当というやつか。

「これはうまそうだな。いただきます」
「えへへ。どうぞ、召し上がれ」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています