死についてどれだけ考えているかによって、人は仕事を感じる感じ方が違う。
仕事や家族や財産などのために人は懸命に働くが、死の前にそれらはすべて無意味だ。
どれだけ堅固な家を建てても、それが死後の魂を救ってくれるものではない。
しかるになぜ人間は、古今東西あくせく働き悩み怒り喜ぶのか。
おそらくはただ、最初は深く考えず当然そうするものと受け入れ、何かに躓いたときに、
はて自分はなんでこうしているのだろうと首をひねったりもするものの、
生きていくことは結構忙しいことでもあるので、また当面の懸案に没頭している内に、
決定的に自分が死ぬということを考えざるを得ない出来事に出会うのだろう。