宮本さんの最後の詰めが入ってくると、バッと一気に内容が変わる。
いわゆる「宮本マジック」が出るんです。ぼくはこのゼルダの前に、スーパーファミコンで
「ヨッシーアイランド」を作ったんですけど途中までは、ぼくらがプログラムしてて、ここ、どうなんかなぁ、って思うところもあるんです。
最後に宮本さんが入ってきて、そこで「ゲーム」になるんですよ。

すごいなあ、と思いますけどね。任天堂以外のゲームで、そういう意味で
「すごいなあ」と思うゲームは、最近はあんまりないですね。
やっぱり任天堂のゲームは質が違う。
マリオのときでも、宮本さんは最初からがんばってはって、ぼくは途中から入っていったときに、
ああ、こんなふうに気合い入れて作ってはんのやなあ、と思いました。
ぼくらも、今回このゼルダを、もっともっと映像的にはいろいろ入れたかったし、
こういうふうにしたかったなあ、って残念に思う部分はもちろんありますけど、そんなことよりももっと大きい意味で、
なんとか宮本さんの期待に応えたいっていう気持ちがありました。
そのくらい大きいです、宮本さんの存在は。
    (プログラムディレクター・岩脇敏夫さん)