宮本茂からのアドバイス
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0087名前は開発中のものです。
01/12/14 05:09ID:???宮本茂:「電子ゲーム」ということだけで嬉しかった時代は確実に終わったし、周辺には、電子で動くものが、もう溢れてるわけなんで。
それがこんなに安く買えるという魅力で売っていたおもちゃの時代も、もう終わって、
今はおもちゃがいちばん安くて高性能になってるので、「おもちゃ」やなくて「本物」になってきてるのでね。
初めてゲームをする子らにとっては、例えばインベーダーゲームというものは、
ぼくらがむかし、あんなに熱中したんやから、今の彼らにも面白いはずやと信じてきたんですけれども、
ちょっとでもゲームをかじってる子たちに今、インベーダーゲームをやらせても、
面白いとは言ってもらえない時代になってきたし。ゲームというのは、普遍的なものとちごて、
技術的に過渡期といえる時期に現れてきた商品なんで、そのうえで、それに慣れて上手になっている
ユーザーだけを相手にしていくんやなくて、新しくて面白いものでありながらも、それが単なる刺激的なものではなくね、
ぼくらは、刺激的であることや、再挑戦度が高いことなんかでゲームを売ってきたわけやし、それをゲーム性と呼んできたんやけれども、
そこを乗り越えて、なんかひとつ、新しいスタンダードになれるものを作っていかないと、5年後くらいには、さらにとんがった、ごくわずかな
ユーザーだけが残っていた、ってことになるんちゃうかな、と、あらためて実感したんです。
うちの子供がゲームしてるのを見ててね。
もっとも大人だってね、大人のほうが、実はわがままで、ギャンブルなんかにはまったらぜんぜんやめへんし、
好きなゲームが出たら徹夜でやってしまうし、不毛をいっぱいやってるわけで、それを必ずしも悪いことだとは言わないけど、確かにそれで、時間を失っているんですよね。
もっと他のことも出来るのに、という時間をね。
それはもったいないなぁって思いますよ。そんなこと考えたら、あかんのかなぁ。
ぼくなんか、野放しで育ってきても、ちゃんと育ってんのやから(笑)。
1999年9月任天堂本社にて
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