今西の黒々とした一物が抽送を繰り返す。その度に菫色がめくれ上がり、内臓の鮮やかな色が目に飛び込んでくる。
 目の前で繰り広げられる酸鼻な情景に、山内は気が狂いそうだった。
 いや・・・・・・
 本当に気も狂わんばかりの苦痛と屈辱に晒されているのは、宮本だ・・・・・・・・・
 最初のうちこそ堪えようとしていた悲鳴も、今は間断なくその喉から絞り出されてくる。それはまるで傷ついた獣の咆哮のようだった。
 何故、何のために僕は今、ここにいるのか・・・・・・・・・
 目を閉じることも耳を塞ぐことも出来ず、宮本が犯され、ずたずたに引き裂かれるのをただ惨めに見つめている。
 体中の血が沸き立ち逆流していたが、それが怒りのためなのか、それとも意志に関係なく屹立した 己の一部分のせいなのかさえわからなかった。

 宮本はともすれば途切れそうになる意識の細い糸を、痛みに集中することでかろうじて繋いでいた。
 今西が突き入れるたびに、体を割り裂かれる痛みが脊髄を駆け抜け脳髄に突き刺さる。
 我を忘れ、この苦しみに呑まれてしまえたら・・・・・・いっそ気を失ってしまえたら・・・・・・・・・
 ああいっそ・・・・・・・・・
 このまま死んでしまえたら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 もう、いい。
 もう十分だ。
 これ以上の苦しみに耐える必要が、どこにある・・・・・・・・・・・・・・
 ぐるぐると繰り返し心を苛む誘惑を振り払うように、宮本は涙と脂汗にまみれてもなお端正なその顔を振った。
 今西はそんな様子が芯から楽しいらしい。今はもう抵抗する気配もなく悲鳴さえ弱々しい宮本を激しく犯し続けた。