安価なカーボンナノチューブ製造法ができたらしい。

http://www.toray.co.jp/release/news/composite/nr020304.html

世界初の2層カーボンナノチューブの選択的合成法の発見について
(高品質カーボンナノチューブの量産化を可能にする世界初の新規合成法)

 東レ(株)は、このたび、名古屋大学・篠原久典教授のグループと共同で、世界で初めて、
2層カーボンナノチューブ(2層CNT)を、工業的に安価に製造できる画期的な新規合成法を
見出しました。
  CVD法の一種であるCCVD法(触媒化学気相成長法:Catalyst-supported Chemical
 Vapor Deposition)で多層カーボンナノチューブ(多層CNT)と単層カーボンナノ
チューブ(単層CNT)を合成できることは、既に公表されていますが、このたび篠原教授
グループのCCVD法と東レのゼオライト技術を融合することにより、2層CNTを選択的に
合成することを実現しました。本方法は量産化が容易でさらに収率の向上を図れば、
コスト数千円/Kgも可能な優れた手法であります。

 2層CNTは、次に示すようにナノ材料として多くの利点がありますが、これまで
量産化に適した技術はありませんでした。


  (1) 細い(直径1〜3nm程度)ことでCNT本来の機能が発揮される。
  (2) 単層CNTに比べ耐久性、強度が高い。
  (3) 最表面のグラファイトシートを表面装飾しても内層のグラファイト層は修飾
 されずCNT本来の性質を保たせることが出来る。

例えば、フィールドエミッションディスプレー用途では、2層CNTは直径が細いため電界
放出能が高く、2層であることから単層CNTに比べ耐久性が高いことが知られています。
樹脂との複合化により、ナノコンポジット材料としての展開も考えられますが、直径が
細く、表面が装飾しやすい点で2層CNTはナノ分散に有利です。
(後略)