世田谷は古くからの東京人にとっては「都心に出やすい割に緑の多い郊外の住宅地」。
世田谷の良さはその田舎っぽさにあることが解っているから、そこが大都会だなどとは東京人は誰も思っていない。

一方、田舎から上京してきたばかりの偽東京人にとっては「芸能人がたくさん住んでいるお洒落な大都会」。
それでこれが上京後に多少の年数が経ち、東京の地理に関する知識が少しばかり増えてくると<世田谷=大都会>観の裏返しとして
「大都会なんてとんでもない。世田谷なんて田舎だべ」「大都会とは、六本木や赤坂や青山のことを言うんだっぺ」と
東京人には初めから自明のことを訳知り顔でのたまうようになる。

世田谷を持ち上げるにせよ叩くにせよ、田舎っぽさということを貶下的にしか捉えていないところがこういう偽東京人の特徴。
自分自身が田舎者であることに劣等感を持ちそれを隠そうとしているから、田舎っぽさが長所たりうるとは夢にも思っていないのが彼らの面白いところだ。