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会員限定有料記事 毎日新聞2021年2月4日 09時00分(最終更新 2月4日 09時00分)



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巨大風車が建設される予定の丘(正面奥)を見つめる前田昭博さん=鳥取市河原町で2020年11月18日午後4時35分、阿部絢美撮影

 鳥取市の山間部で計画中の国内最大規模となる風力発電事業が周辺住民の強い反対で難航している。騒音や土砂災害、景観悪化などが懸念されるためで、近くで進む工芸作家らの集住計画も揺らぐ。脱原発依存や脱炭素化に向けて再生可能エネルギーの活用は避けて通れないはずだが、その足元では「迷惑施設」として反対する住民と事業者が対立している。現場を訪ね、問題の背景を探った。

 JR鳥取駅から南西へ車で約30分の山あいで事業を進めるのは「日本風力エネルギー」(東京都港区)。約4000ヘクタールに高さ約150メートルの大型風車を約30基建設する計画で、着工は2023年、運転開始は26年を目指す。最大出力は一般家庭6万世帯分の14万4000キロワットを見込み、完成すれば20年4月に商業運転を始めた国内最大の風力発電所「ウィンドファームつがる」(青森県つがる市)の12万1600キロワットを上回る。

 鳥取市河原町本鹿(かわはらちょうほんが)の西郷地区で「やなせ窯」を構える人間国宝の陶芸家、前田昭博さん(66)は、自然豊かな当地に工芸作家らに移住してもらおうと13年ごろから「いなば西郷工芸の郷(さと)」構想を提唱してきた。…

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