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2020年11月08日07時11分

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江戸幕府3代将軍、徳川家光が描いたとみられる掛け軸「竹に雀(すずめ)図」の覚書

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江戸幕府3代将軍、徳川家光が描いたとみられる掛け軸「竹に雀(すずめ)図」



 江戸幕府3代将軍、徳川家光が描いたとみられる掛け軸「竹に雀(すずめ)図」が長野県で見つかった。長野市の男性が所有しており、家光の絵に詳しい府中市美術館(東京都)の金子信久学芸員が、テレビ信州の情報番組で鑑定。筆遣いや覚書などから家光直筆と判断した。


 家光の絵はこれまで20点ほど見つかっている。金子さんはその特徴を、「現代の人が見ると、『かわいい』『面白い』といった感想が出てくる」と説明する。ニワトリを単体で描くなど、シンプルな作品が多いという。

 一方、新たに見つかった絵には4本の竹と、その1本の枝に止まったスズメが描かれている。金子さんは「スズメと竹が一つの情景となっている。珍しく力作で、優しさを思わせる」と評した。

 覚書には「伝徳川家光公筆 高田藩主榊原家伝来 保坂家旧蔵品」などの記載がある。家光が新潟県上越地方の榊原家に絵を与え、大地主の保坂家の手に渡ったとみられる。

 府中市美術館では、「竹に雀図」など家光の絵を来年9月に展示する予定だ。