10/9(水) 16:00配信
【サッカーコラム】だから浦和はおもしろい、ＡＣＬ決勝進出に王手

　【Ｎｏ　Ｂａｌｌ、Ｎｏ　Ｌｉｆｅ】Ｊ１浦和が、１０月２日に埼玉スタジアムで行われたアジア・チャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）準決勝第１戦、広州恒大（中国）戦に２−０で勝って決勝進出に王手をかけた。

　前半１９分にＦＷファブリシオがミドル弾で先制し、後半３０分にはＭＦ関根のミドルで突き放す完ぺきな試合展開。
それまで１６試合連続で失点していた守備陣も奮闘し、広州の攻撃陣を０封。ＤＦ槙野は「１対１で責任を持って対峙（たいじ）した」と、ＤＦ陣がマークを徹底したことを勝因に挙げた。

　今月２３日、第２戦が中国・広州で行われる。引き分け以上ならＯＫ。
敗れても０−１なら決勝進出となる。２年ぶり３度目のアジア制覇が現実味を帯びてきた。アジアでは強豪を誇る浦和だが、国内に目を向けると…。

　そのわずか１週間前の９月２５日。浦和は天皇杯ラウンド１６で、ＪＦＬのホンダＦＣ（静岡）と対戦した。リーグ戦をにらみ主力のＦＷ興梠、ＭＦ関根らを外した。
ＤＦ槙野は出場停止。それでもアマチュアチームに負けることは想像できなかった。だが、敗れた。０−２での完敗。内容も悪かった。
大槻監督も「大きなものを失った。責任を感じている」と悲壮感を漂わせた。

　広州恒大戦から４日後のＪ１リーグ清水戦（埼玉）では、２−１で逆転勝ち。リーグ戦では９試合ぶりの勝利に浸った。
１ゴール１アシストとチーム全得点に絡んだＭＦ橋岡は「リーグ戦でなかなか勝てなくて…。うれしいですね」と素直な気持ちを打ち明けた。

　広州恒大は中国スーパーリーグ屈指の強豪チーム。今季も首位を快走中で、２０１１年から２０１７年まで７連覇をマークした。クラブ別の優勝回数でもダントツだ。

　そこを撃破した浦和が国内リーグ戦では８試合勝ちなしが続き、下位に低迷。天皇杯では４部リーグ相当のチームに敗れてしまった。

　サッカーは何か起こるかわからない。だから“ジャイアントキリング”も起こりえる。強いチームが必ず勝つ保証はどこにもない。今季の浦和は、それを実証しているとも言える。

　相手がどこでも、自分たちのサッカーができれば勝つし、逆に、できなければ負ける。それが浦和。だから浦和のサッカーがおもしろいのかもしれない。（宇賀神隆）

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191009-00000523-sanspo-socc
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