日本人2人が過激派組織「イスラム国」に拘束され殺害予告の動画が流れた
事件は、犯行グループが示した「72時間」という交渉期限が過ぎても表だった
動きがなく、23日午後11時現在、2人の安否は不明のままだ。

 拘束されているフリージャーナリストの後藤健二さん(47)は、日本を
離れる2週間前に赤ちゃんが生まれたのだという。乳飲み子を置いて危険を
承知で「イスラム国」の支配地域に行こうとしたのはなぜだろうか。
 今のところ、すべては推測の域を出ないが、後藤さんのこれまでの活動と
今回の事件を通して、あらためて浮かび上がってきたのは、紛争地の子どもた
ちが置かれている過酷な現実である。
 イラクは、フセイン政権が倒れ戦争が終わっても宗派対立が深まるばかり
で、政情は安定していない。隣のシリアは、アサド政権と反政府勢力の対立が
激化し、内戦状態に陥った。

 その間に「イスラム国」がシリアとイラクにまたがる地域に勢力を拡大した。
米国は昨年8月から「イスラム国」の軍事拠点への空爆を開始。これに反発する
「イスラム国」は米国人捕虜の処刑映像をインターネットで流し、世界に
衝撃を与えた。

 カオス(混とん)としかいいようのない暴力の連鎖。その最大の被害者は、
その地域に住む何の罪もない住民、特に子どもや女性たちである。 私たちを
助けてください−後藤さんが取材したビデオ映像は、住民の必死の叫びを
拾い、生々しく伝えている。沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=99965