きょうから大学入試センター試験が始まり、本格的な大学入試シーズンに突入した。志願者は55万9千人余り。受験生にはいよいよ勝負のときである
▼今年は大学入試の「変化の年」とされる。今の高校3年生は、学習範囲が広がった新学習指導要領の下で「脱ゆとり教育」を受けた最初の世代。
一方、浪人生は旧課程で学んだ「ゆとり世代」だ。このため今回に限り、旧課程に対応した問題も選択できるようになった
▼浪人生が少ないのも特徴という。昨年の受験生は、「脱ゆとり」が参加する今年の入試は不利とみて、浪人を嫌って現役入学にこだわる傾向が強かったためとみられる
▼入りたい大学より、入れる大学を。そう考えた受験生がいつも以上に多かったようだ。昨年、そして今年と教育改革の影響が色濃く反映されている
▼〈ゆとり世代自ら望んだわけじゃないなのに何かと文句言われる〉。東洋大学が先日公表した「現代学生百人一首」の入選作である。
「生きる力」を育むためのゆとり教育だが、学力低下も指摘された。当事者には困惑や反論もあろう
▼ともあれ、ここは目の前の現実を乗り越えていくしかない。学生百人一首には〈鴎外さんちょっと脳ミソお借りしたい三月中には返しますので〉という作品も。
明治の大秀才に頼りたい気持ちは分かる。でも、自分を信じて―。

(2015年01月17日 08時02分 更新)
http://www.sanyonews.jp/article/121732/1/?rct=tekiitteki