【AFP記者コラム】「イスラム国」の斬首動画が報道機関に突きつけた課題
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2014/09/26(金) 12:02:09.26ID:???02014年09月23日 19:13 発信地:パリ/フランス
【9月23日 AFP】シリアやイラク、アフリカでジャーナリストが誘拐、殺害され、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織
「イスラム国(Islamic State、IS)」とその分派によるプロパガンダのためのおぞましい動画が公開されるなか、
私たちAFPも編集倫理の原則を再確認する必要に迫られている。
私たちに突き付けられた課題は、報道する義務と、記者たちの安全を担保することのバランスをどう取るか。さらには
暴力のプロパガンダに利用されないように、そして犠牲になった人の威厳も守りながら、過激派が公開する写真や動画を
どこまで報じるかという問題だ。
このコラムでは、ここ数か月の間に起きた出来事が、AFPのような国際通信社の業務環境をどのように変えたかと、
それに私たちがどのように応じたかを記す。
■遠隔地からの紛争報道
シリアでは現在、AFPは首都ダマスカス(Damascus)に支局を持つ唯一の国際通信社だ。シリア人のジャーナリストたちが常駐しており、
隣国レバノンの首都ベイルート(Beirut)から政府軍が支配している地域に記者を送ることもある。反体制勢力の戦況についても、
地元の記者から情報を得たり写真や動画を送ってもらったりしている。
ただ昨年の8月以来、私たちは、反体制派が支配している地域に記者を送ることはやめた。危険すぎるためだ。
外国のジャーナリストがそうした無法地帯に飛び込めば、誘拐や殺害されるリスクが高い。AFPに定期的に動画などを提供していた
米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー(James Foley)氏が8月に、ISに殺害されたような悲劇が起こり得るのだ。
反体制派が支配する地域では、外国人ジャーナリストはもはや地元住民の苦しみを外部に伝える目撃者としては歓迎されておらず、
攻撃のターゲット、あるいは身代金のための「商品」として見られている。
そのため、AFPはフリーのジャーナリストが、私たちが足を踏み入れない地域で取材してきた素材を受けつけないことにした。
これは明確な決定であり、周知するためにもここで念を押しておきたい。フリーの記者がシリアに行って取材してきた情報も
写真も映像も、私たちは使わない。
フリーランスはシリア内戦で大きな犠牲を払ってきた。大きすぎる犠牲だ。そのようなリスクを背負おうとする彼らの背中を、
私たちは押したくはない。
紛争地帯では大抵の場合、ジャーナリストが取材でき休息も取れるような、比較的安全な場所がいくつかあるものだ。
だが現在のシリアで反体制派が支配している地域には、そんな場所は1つもない。
一方、イラクやウクライナ、パレスチナ自治区ガザ、中央アフリカ共和国など他の紛争地帯には、経験ある記者を多く送り、
フリーランスとも契約している。報道機関として、紛争を伝えないわけにはいかないが、記者たちの安全には万全を期している。
第1に、戦場での取材について訓練を受けたジャーナリストを送ること。第2に、ヘルメットから防弾ベストまで、完全な防護装備を
提供すること。現地取材の前と後での詳細なブリーフィングも欠かさない。
ほかのメディアとの情報共有も不可欠だ。記者たちの安全が脅かされているときに、競争など関係ない。
AFPは間もなく、情報共有を目的とした、戦場におけるジャーナリストの安全に関するブログを立ち上げる予定だ。
ジャーナリストが拘束されたり銃撃されたりと、危険な目に遭ったら、このブログを警告を発する場として活用するつもりだ。
安全対策のための情報をできるだけ多くの人たちと共有すれば、どんなことが危険を招きやすいのか、危険を回避するには
どうすればいいのかが見えてくるだろう。
http://www.afpbb.com/articles/-/3026762
(続きます)
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