昔の友やめ

幼少時のトラウマが原因で他人の作品を批評・感想の類は一切しない事を主義にしていたが、
出会ったばかりの頃のAが共通の友人Bにけちょんけちょんにこきおろされているのを見て、
最初で最後のつもりで主義を曲げた。
私はAの作品にはすごい才気を感じていたので、正直な気持ちのまま大絶賛。
Aも喜んで「希望が持てる」と言ってくれてた。
それから5年ほどした頃、Aの本が売れ始めた。
私が「すごい!いつかこうなるとは思ってたけどすごい!」と言うと、Aは
「はぁ?(私)ちゃん、昔さんざんこきおろしてくれたじゃん、売れた途端今更w」
と言い出した。
ハァ?と思って訊くと、Aの記憶では褒めたのはBでけなしたのが私という事になっていた。
B本人が「いや逆だ けなしたのは私だ」と証言しても、Aは記憶錯誤を改めようとしない。
私のアイデンティティに関わる問題だっただけに、あくまでけなしたのは私だと言い張るAに腹が立ち、
絶交寸前まで行ったけど、最終的にAが折れた。
折れたとはいっても、絶交されたくないばかりに仕方なく膝を屈した臭を感じたので、
私としても不満だったけど、一応は「自分の勘違いだった」と言っている相手を追及もし辛い。
もやもやは残ったものの、Aも二度と話題にしなかったので、そのまま付き合いは更に5年続いた、が。
チャットで話していた時、Aが5年ぶりに再びそれを話題に出した。
「あんたそれ、自分の勘違いだと認めた筈じゃなかった?」
と問い糾すと、「…あー、そうだったねwそういう事にしといたげるw」と冗談っぽく言われた。
その時自分の中で何かが切れた。決定的な何かが。
Aには悪意はないんだろうと思った。
自分の記憶を固く信じていて、私とBは揃って思い違いをしていると思い込んで疑ってないんだろう。
そう思ったらなんだかアホらしいような哀しいような気分になって、
その後、Aから来たメールも電話も全部総スルーしてFOした。