断水832万人、停電234万軒、経済被害28・8兆円 大阪府の南海トラフ地震想定
2014.1.24 09:47

 南海トラフ巨大地震に関する大阪府防災会議の検討部会(部会長=河田恵昭・関西大教授)が24日開かれ、府はライフラインと経済の被害想定を公表した。
被災直後、上水道は全体の94%に当たる832万人が断水し、55%の234万軒が停電するほか、34%の115万戸のガスが供給停止に。
経済被害は府の国内総生産(GDP、平成22年度)の78%に相当する28・8兆円に上ると予測した。

 南海トラフを震源とするマグニチュード(M)9・0クラスの地震を想定。津波によって防潮堤が決壊し、淀川の河口部分から上流へ33キロにわたり、海水が遡上(そじょう)すると予測した。

 淀川には計12カ所の取水口があるが、塩水を淡水化する装置が浄水場にないためしばらくは取水制限を余儀なくされる。内閣府の想定は取水制限を考慮していないため約半数の430万人にとどまった。
水道管の破損なども考慮した結果、被災1週間後でも359万人(40%)の断水が続く。

 ライフラインの甚大な被害で被災1日後に181万人(被災1カ月後では191万人)が避難所などに避難し、被災1週間後で非常食が3220万食、飲料水が8931万リットル不足する。

 一方、交通インフラの被害は、道路が1900カ所、鉄道は1500カ所と想定。交通の寸断により外部からの支援を受けることも困難になるため、府は「各家庭で最低1週間分の食料と水を準備してほしい」と呼びかけている。

 また、経済被害は建物被害などの直接被害が23・2兆円、製品やサービスの供給が不可能になることで生じる損失は被災後1年間で5・6兆円と見積もった。

 府はこれらの被害想定を踏まえ、防潮堤の補強対策など津波浸水への備えを促進するよう、今年度内に地域防災計画を見直す方針。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140124/wlf14012409500012-n1.htm