経済、政治的にその混乱と困窮の度合いがあまりにも高い国では、
自殺はあまり見られない。生きることにまず最大の関心が向けられているからである。
また、経済的に拡大途上にあり、様々なチャンスの多い国でも少ない。
自殺が多いのは、元は経済的に豊かであったのが、
不況になり失業や就職難が深刻になったとか、
他人の幸福を目の当たりにしながら、自分だけがそれに手を伸ばすことができないといった
絶望的な状況にあるなどの国々である。
前者はバブル崩壊後の日本、後者はハンガリーなど元東側諸国の国々などが例として挙げられる。
要すれば、絶対的幸福よりも相対的幸福を感じられない人々が自殺しやすい状況にあるといえる。