だまされてアダルトビデオ(AV)に出演させられる被害を受け、第三者機関「AV人権倫理機構」が作品販売停止窓口を開設してから約2カ月半。
同機構は1日、4月30日時点で計42人から販売停止を求める申請があったと発表した。すでに17人の申請内容の確認を終え、16人の作品の販売を停止。
1人は、AV人権倫理機構の枠内である知的財産振興協会(IPPA)所属ではないメーカーに出演していたため、対応できなかったという。
残りの25人は、本人確認やメーカーの確認を行っているところで、順次対応予定だという。

 同機構は、2月20日に作品販売停止窓口を開設。出演強要被害にあった女性や、引退して第二の人生を送る元女優から申請を受け付けていた。
女優が販売を停止してほしい作品を同機構に申請すると、同機構が書類による本人確認をして、メーカーに勧告。メーカー側が、販売を停止するという流れだ。
申請から販売停止まで1カ月ほどかかっているという。申請書類は、同機構の公式ウェブサイト(https://www.avjinken.jp/)からダウンロードできる。

 また、これまでは一度AVに出演すれば作品がインターネットで配信され続ける状態だったが、同機構の新ルールが適用される4月以降の作品に関しては、肖像権及びパブリシティー権の利用は撮影日から5年6カ月、もしくは販売日から5年となり、
女優が「5年で配信を止めてほしい」という意思表示をすれば、作品は販売・編集されなくなることになっている。
 文化人類学が専門で、2015年秋からAV問題について研究している竹山明子・カンザス大准教授は、「本人確認のために書類を提出しなければならず、
本名を知られるリスクがあってハードルが高い。強要被害や、家族に知られてしまったなどの問題がある場合は、同機構ではなく、人権団体などに相談しているのではないか。
また、同機構ではIPPA所属メーカーの作品でないと対応してもらえず、どの作品が対応してもらえるのかわかりにくいことも問題では」と指摘する。

 経歴30年の現役AV男優で、強要問題について発言を続けている辻丸さんは、「この数字を見ただけでは、まだ評価できない。同機構の存在が、引退した女優に広く知られていないのでは。
1人の女優の作品を販売停止するまでに時間がかかっており、今後、件数が増えたら対応できるのかどうか」と話していた。