俺の村では成人の儀式というのがまだ残っていて、
課題は毎年変わっていた。
俺の年は、3つの小屋が用意され、それぞれに
 爪の伸びすぎた大鷹、
 人間の食い物ばかり食べて虫歯になった熊、
 不感症の女
が待機しており、それぞれの小屋に入り
 大鷹の爪を切る、
 ツキノワグマの虫歯を抜く、
 そして不感症の女をいかせる、
という課題をクリアしなければならなかった。
次々とチャレンジするものの最初の大鷹の小屋で
ギブアップする者が続出し、流血や悲鳴に怖じ気づいて
辞退する者もいたが、俺は果敢に挑んだ。

まずは大鷹の小屋。
苦闘の末、俺は小屋から出るなり
「爪を切ったぞ!」
と切り取った爪を高々と掲げた。
衆人の感嘆とどよめきの中、俺は次の小屋に入った。
熊だ。これはかなり手強かったが、俺は何とか目的を果たした。
そして小屋から出て叫んだ。

「残るは虫歯の女だけだな!」