食としての鶏肉

江戸時代はまだ鶏を食用とすることは一般的とは言えませんでした。
江戸の料理書などでも野鳥が主となっています。
雉(きじ)、ウズラ、鴨、雁、鴫(しぎ)、雀、ツグミ、ヒヨドリ、ヒバリなどでトリと言えば雉(きじ)、
コトリと言えばツグミを指したと言われています。 

江戸期は明治期から始まる、鶏肉文化の準備段階といっていいでしょう。
肉食文化の普及、生産の体制、流通の整備などによって実現する新しい食文化が
長い時間をかけて用意された、そんな時代でありました。