わたしの視界だけ、僅かに。
―――斜めを向いているの、

空を飛びたい時は、重りの。
―――林檎をぜんぶ取って、

別々の次元で凍り付い/た、
軽すぎて持てない本の中に。
刻まれた魔法を解明す/る、
夢のような毎日を。一人で。

わたしの鼓膜だけ、遠くの。
―――呼び声が聞こえるの、

謎めいた部屋から、夜空に。
―――蜜柑をぜんぶ投げて、

神々の次元に燃え移っ/た、
黒すぎて消せない炎の輪に。
暴れる怪物をくぐらせ/る、
嘘みたいな瞬間を。二人で。