プログラム冒頭の大序曲を弾きおえて、すくっと立ち上がった山下と
そのあとの割れんばかりの拍手、続く聴衆のざわめき..
ハープシコードにスタンウェイB211を持ちこんだような衝撃があった。
山下は、「こう弾きたい思い」の天才なのだと思う。あれから、
30年、大序曲の衝撃は聖母と御子の静寂の衝撃になった。