「隠された青空」
涙を流すように そっと降り出した雨
あなたと走り出す 赤信号の交差点
初めて握ったあなたの手 暖かかった

こんな時だけ思う
「青空が戻ってきませんように」
心でつぶやく密かなお願い

あなただけちょっと 空を見て不機嫌
わたしだけちょっと 空を見て御機嫌
「天気予報はハズレたね。でもきっと通り雨だよ」

何もなかったのが 不思議な一ヶ月
あなたを思い出す 哀れな女の子
手の温もりが語りだす 遠くへ逝ったあなたのこと

こんな時だけ思う
「何もなかったことにしたい」
心で呟く哀(あい)の言葉

あなただけずっと 時を止めてそのまま
わたしだけずっと 置き去りでこのまま
「忘れたくない。あなたのこと。だってきっと、これからも……」

あなただけもっと 見つめていたい、いたかった
わたしはね、もっと 愛していたい いたかった
隠された青空 あの日と同じ
私が泣いているから
あなたが隠しているのかな
遠くへ逝った、優しかったあなたが……