目を醒ませば
聞こえてきたはずの
たばこに掠れた低いしゃがれ声
今は聞こえないの
涙でぬくもりも滲んでた

精一杯綺麗になったわ
長い睫も赤い口紅も
偽りの私映すあなたの瞳も
もう見えなくったの…

殺風景な部屋ひとり
残されたあたしは
古ぼけたレコードみたいに
歪んだ声がたくさんの
想い出たちを静かに拾い上げては
もう帰らぬあなたを思う