「レモン」

レモン握りつぶしながら
暗い部屋で詞(うた)を書いた
静かすぎる夜の終わり
窓に雪が積もる

すきま風に氷ついた
レモンやがて力尽きて
熱く赤い流れ細く
指をつたい落ちた

涙ひとつこぼれ
心ひとつ途切れ

君の濡れた白いシャツに
僕は軽く顔をうずめ
冷えて眠る黒い匂い
胸の奥にきざむ